今回のテーマは「カウンセリング」になります。
皆さん「カウンセリング」をどのようにしていますか?
「カウンセリング」はお客様の仕上がりを決める大切な技術だと、私は考えています。
なぜかと言うと、ここでどのような情報を、お客様から取り入れるかで、仕上がりが変わってしまうからです。
ここで誤った解釈をして、お客様との共有イメージがないと、お客様は満足してはくれません。
そうは言っても、「カウンセリングが苦手なんだよなぁ…」という人もいます。
特にご紹介で来た新規のお客様などは、特にですよね。
私も今だに汗びっしょりです。
ただ、カウンセリングが上手では無いと思う人には、ある共通点があります。
それは、お客様に聞いている質問が「毎回バラバラなんです。」
緊張していたり、忙しい中でカウンセリングを行いますので、上手くいかない事もあると思います。
ですので、あらかじめ質問内容を決めておきましょう。
- 前回の施術内容はどうだったか?(新規も含めて)
- 現在の髪の悩み
- 今回の要望 (雑誌や画像でビジュアルの確認)
- 施術時間の確認
- 施術料金の確認
最低でもこの5つは必ず聴くようにしましょう。
もし忘れそうであれば、カウンセリングシートやカウンセリングノートを作っておくと効率的です。
もう1つあると良いのは、「お客様の質問シート」です。
これを事前に書いて頂く事で、沢山の情報が手に入ります。
詳しくは、この後説明させていただきます。
それでははじめましょう。
まずは自己紹介
- 美容業界に20年以上勤務
- 美容師歴3年で技術売上100万円突破
- 美容師歴3年目で店長就任
- 10年目で取締役就任
・カウンセリングが苦手な人
・カウンセリングで、何を聞けば良いのかがわからない人
・リピート率が低い人
リピート率を上げる為には、カウンセリングで悩みを引き出す
まずは前回の施術内容の確認です。
これは、「前回誰が担当した」「前回どこのサロンで切った」とかは聞かなくて良いですが、施術内容を確認しましょう。
こんな感じに聞いてみましょう。
他店や、別の担当者がカットやパーマをかけた場合は、自分が思っているカットラインや、普段使っている薬が変わっています。
髪を触って確認しておきましょう。
ここでは、「何が原因で、お客様が悩んでいるか?」を突き止める事が大切です。
しっかり改善案をお客様に伝えてあげましょう。
次は自分が担当した場合です。
自分で担当した場合は、ここで前回の施術内容の答えが返ってきます。
ここに色々なメッセージが込められていますので、しっかりとカルテに書き込み、今後に活かす事が大切です。
情報量が多ければ、今後お客様の満足度はどんどん上がってきますので、しっかりマイナス面は改善していきましょう。
お客様の悩みをキャッチする
まずは、しっかり悩みをキャッチします。
特に、1番最初にお客様が言った言葉は、今日1番の問題点であり、サロンに来た目的でもあります。
ここを修正できないと、リピートには繋がりません。
カウンセリングでお客様と悩みを共有し、改善案を提示して、施術中にも悩みの事を確認しながら行い、最終的にお客様の悩みが解消できるように、結果を出していきましょう。
気をつける点は、スタイリストの改善案が、お客様が受け入れて、くれているかです。
もし、「毛先が跳ねる」と言う悩みを、「毛先にパーマをかけましょう」「ストレートパーマで改善させましょう」と言っても、お客様が納得して頂ければなりません。
無理やり説得しても、お客様の納得には繋がりません。
お客様とスタイリストが、双方の納得しない限り、ビジネスでは成立しません。
あくまでも、お金を払うのはお客様です。
ここをしっかり頭に入れて、お客様の悩みを技術で解決できるように、プロとして、しっかりとした、提案力を身につけましょう。
カウンセリングでデザインを共有しましょう
デザインの共有は、とても大切です。
ここで、お客様のデザインイメージをキャッチしておかないと、失敗する確率があがってしまうからです。
そして、ここでは提案力も、求められます。
「あなた」と「別のスタイリスト」の違いは、デザインの提案力違いにあると思っています。
お客様の好みと、あなたが持っている技術やセンスを共有していきましょう。
しかし、カウンセリングの難しさは、人によって感覚が違うところにあります。
「可愛い感じ」「カッコいい感じ」など表現される事が多いと思いますが、これほど掴みどころが無い表現はないと思いませんか?
この辺りをしっかり修正しながら、お客様と一緒にデザインしていくことが重要になります。
それではデザインの共有化についてもう少し詳しく説明します。
「商品」と「作品」の違い
お客様が思う「可愛い」とあなたが思う「可愛い」が違う事もあります。
スタイリストが、このスタイルの方が「可愛い」と思うし似合っていると思っても、お客様は「このスタイルは好きでは無い」と判断する場合もあります。
ここでは、お客様とスタイリストの「すり合わせ」が大切なポイントになってきます。
1つ理解して頂きたいのが、あくまでも「商品」を作るのであって、「作品」を作るのでは無いと言う事です。
もし、あなたが「作品」を作るのであれば、あなたのセンスや技術を思う存分発揮して良いと思います。
しかし、サロンワーク中は「商品」を作らなければなりません。
お客様は「商品」に対して「お金」を払っています。
もし、お客様があなたの「デザイン」を買いに来ていて、「すべてお任せ」して頂けるのであればあなたが好きなヘアスタイルを作って問題ありません。
しかし、そこまでではないのであれば、「商品」作りに重きを置く方が良いと思います。
わかりますよ。
私だって、スタイリストですから、「短い方が絶対似合うのになぁ」「こっちのヘアスタイルの方が似合うと思うんだけどなぁ」って思う事ありますよ。
でも、お客様の好みに合わせた「商品」を作っていると言う気持ちで作るようにしています。
ただし、少しずつ「自分の特色」も出すようにしています。
まだ1〜3回目のお客様には、信頼関係がないので、「お客様の思い90%」「自分の思い10%」
4回〜7回目の来店の時は「お客様の思い70%」「自分の思い30%」
7回目以降は「お客様の思い50%」「自分の思い50%」ぐらいの感覚で、お客様に提案しています。
信頼関係を築いていきながら、提案を増やしていく方が良いと思います。
最初から提案し過ぎると、「この人私の好みを、わかってくれない」と思うお客様もいますし、こだわりの強いお客様もいますからね。
トラウマを持っているお客様もいますので、お客様との信頼関係を深めていきながら、お客様の事を理解しながら、自分からの提案していく方が、良いのかと思います。
写真や画像でビジュアル確認は必ずする
写真や画像でビジュアルの確認は必ず行いましょう。
何度もお話していますが、ここでのデザインの共通イメージはとても大切です。
ここが、ずれてしまうとすべてが台無しになってしまいます。
具体的にどうするかと言うと、好みのスタイル3点見つけてもらい、その中の共通点を探していきます。
「大人っぽい印象」「可愛い印象」「柔らかい印象」など好みを少しずつ絞っていきます。
そして具体的に、好きな所を聞いていきます。
「この前髪が好き」「ふんわりとした、丸みのあるシルエットが好き」「シャープなストレート感が好き」
このような感じに具体的な言葉と、具体的なビジュアルを見ながら、お客様との共有イメージを深めて行って、思いを形に変えていきます。
髪の長さもここでしっかりと、確認しながら行いましょう。
スタイルチェンジやパーマなどをかけると、髪と長さが短く見える事があります。
特に長さを伸ばしている方は敏感になっています。
カウンセリングの段階で長さの説明をして、切る前にもう一度確認し、切った後にも確認する。
切っているスタイリストも、長さを大切にしていると言う姿勢を、お客様にわかってもらう必要もありますので、こまめに確認していきましょう。
「可愛い感じ」「カッコいい」は人よって全然違う
「可愛い感じ」「カッコいい感じ」などは人よって捉え方が違ってきます。
お客様が思う「可愛い感じ」、スタイリストが思う「可愛い感じ」はまた変わってきます。
ここでもきちんとビジュアルで、確認しておく必要があります。
「前髪を3cm切ってください」とお客様に言われても、「可愛い感じ」にするのか「カッコいい感じ」にするのかによってもデザインが変わってきます。
全体のお客様が思う「イメージ」にあわせながら、「前髪を3cm切る」必要があります。
この辺りもきっちりイメージをお客様と共有しておきましょう。
施術内容をしっかりと伝える
施術内容をきちんとお客様に伝える事で安心感に繋がります。
例えば
このように、メリット、デメリットをきちんと伝えて、お客様の悩みを改善してあげましょう。
そして、お客様が納得するような、施術内容にしましょう。
カットにしても、長さを短くするお客様には注意してあげましょう。
髪を縛ることが多いお客様には、「縛れた方が良い」か「縛れなくても良い」のかなどを聞いてあげる事も必要です。
「髪を軽くしたり」、「レイヤーを上の方から入れ過ぎない」などもアドバイスとしてお客様に伝えることで信頼感にも繋がります。
色々とお客様のお悩みを、デザインに落とし込み、形にしてあげられるようにして、お客様が喜ぶスタイルを作ってあげてください。
施術時間、施術料金を明確に伝える
施術時間、施術料金を明確に伝えていないスタイリストも、結構見受けられます。
昔に比べて、時間、お金にお客様はシビアに見てきます。
皆さんも外食などに行った時に、時間やお金が気になりませんか?
お店に来店して、席に着くまでの時間。
注目してからの提供時間。
最終的な会計の時のお金。
など色々な事を考えたり、思ったりしませんか?
立場が変われば、わかると思います。
この辺りを、しっかりと最初に提示して、お客様にリラックスできる環境を作ってあげましょう。
施術時間を明確に
時間の悩みに関しては
- 今日何時頃終わるんだろう?
- この後子供を迎えにいかないと
- 仕事の打ち合わせに間に合うかな?
- この後デートなんだよな
- 歯医者に間に合うかな?
など、お客様にはそれぞれ予定があります。
1日のスケジュールの間に「サロンに行く」予定が組まれている事も少なくありません。
こう言ったお客様の時間を守る事も重要ですし、信頼にも繋がります。
万が一サロンの都合で遅れてしまう場合は、最初に伝えるか、施術中早めに伝えるか、しましょう。
一番いけない事は、「何も伝えない」事です。
お客様に無関心で「お客様を癒したい」とか「お客様に自分の技術で喜んで頂く」言っても意味がありません。
お客様に感心があれば、時間なども気になるはずです。
スピード感を持って仕事をする事はあたりまえですが、お客様の仕上がり時間を守りながら自分のスケジュール管理をしておきましょう。
そしてお客様との信頼関係は積み重ねです。
約束はしっかり守り信頼関係を築いていきましょう。
施術料金を明確に伝える
施術料金を明確に伝えていますか?
これは、カットだけで来たお客様にも伝えるようにした方が良いです。
そもそも、美容室って料金設定が複雑なんですよね。
「パーマ5000円〜」みたいな感じで。
お客様が「高い」と思う瞬間っていつだと思いますか?
最後のお会計の時ではないですか?
自分が思っていたよりも。
以外とサロン何かでは、「シャンプー」「カット」「カラー」「ハイライト」「トリートメント」
などの複合メニューが多くなると思います。
そうすると「高い」と感じるお客様もいるのかと思います。
最後の印象が悪いと脳裏に残ってしまい、印象が悪く、リピート率が落ちてしまいます。
複合メニューで最後のお会計の時に「値段が高い」と思われないコツは、最初に「金額を提示」してあげる事です。
当たり前だと思うと思いますが以外とできていない人も多いのが現実です。
明確に伝える事でお客様が安心してサロンを利用する事ができますので、最初に料金提示してあげましょう。
さらに、料金提示を先にしてあげられる事で、「客単価アップ」にも繋がります。
なぜかと言うと、サロンに行く前にあらかじめお客様はある程度の予算を決めて行く場合が多いです。
そこでもし「2万円」の予算だとしたら、最初に「1万5千円」と伝えられたら、お客様も予算がコントロールできると思います。
その場合、もしトリートメントが欲しいのに、最後まで値段がわからない場合手が出ませんよね。
でも最初に料金提示してあげれば、トリートメントが「5千円しても予算内だから買おう」と思ってくれるかも知れませんよね。
思わぬ、売上アップに繋がる事もあります。
あと、もう一つは、複合メニューの場合は「予算はどのくらいですか?」と先に聞くのも良いです。
お客様は予算内に収めている事が目的になります。
スタイリストとしては、売上アップも考えなければなりません。
なので、こちらから予算内でメニューの「コーディネート」してあげるんです。
例えば、「カット」「カラー」「トリートメント」で来たお客様に予算を聞いて「2万円」だとしたら、「今日はカット、カラー、にして店販商品のシャンプーとトリートメントを購入してみてください」とお伝えします。
そうすると、もしご自宅で使って頂いた「シャンプー、トリートメント」が気に入って場合、リピートに繋がるかも知れません。
こうやって技術売上、店販売上を上手くあげながら、総売上をあげるようにしてみてください。
年間で考えると、総売上がアップしている事に気づくと思います。
是非試してみてください。
あともう一点。
アフターカウンセリングを必ずやりましょう。
今回の仕上がりを、確認してもらいながら、満足度、不安点などないか?1つ1つ確認しましょう。
こちらもリピート率アップに欠かせませんので、最後まで責任をもって行いましょう。
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