美容師のアシスタントが「スタイリストデビュー」まで行う大切なこと第二弾になります。
前回は「シャンプー」から学べる大切なことを、テーマに書いたのですが、今回は「アシスタントが必要な接客力」をお話したいと思います。
毎日、大変な日々を送って居る、アシスタントの方お疲れ様です。
アシスタント時代は、お客様の接客も慣れていない為、迷うこともあると思います。
特に営業中の先輩からの指示や、お客様の会話などに使われる「言葉、言い方」は本当に考えちゃいますよね。
仕事中にスタイリストに指示を受けても、何をしたら良いかわからず、あたふたしてしまう事ありませんか?
例えば、「○○さんに雑誌だして」「○○さんのカラーの準備しといて」など指示が出されます。
でも、「何の雑誌を出せば良いのだろう?」「え?カラーの種類は?薬は何g?」って思うことありませんか?
私もアシスタント時代に良く指示されました。
それで、実際指示通り行うわけですよ。
そしたら、「何で○○さんにこの雑誌持っていったの?」「え!まだ薬作ってないの?」
とか言われて怒られるんですよ。こっちも「はぁ?」って感じですよね。
これって、売れているスタイリストはこう言う指示の出し方しないんです。
売れてないスタイリストほど、こう言う指示の出し方をするんです。
違いがわかりますか?
指示が具体的で無いですよね。
売れているスタイリストは
「STORYとCLASSY。あと週刊誌も添えて置いてください」
「カラーは、イルミナカラー8LVの、ベージュとプラチナ1:1で80g作ってください」
こんな感じだと、指示を受けた方もわかりやすいですよね。
売れていないスタイリストは同じ事をお客様にも、しているケースが数多くあります。
これはスタイリストが売れるためには、とても大切になります。
接客中の会話にも「言葉、言い方」はとても大切です。
今のうちに、アシスタントの方は、お客様に伝える時に具体的に説明する癖をつけておきましょう。
そして、自分の後輩が入って来た時にも、具体的に指示を出し、具体的に技術指導ができるようにしてあげましょう。
まずはプロフィールから
- 美容業界に20年以上勤務
- 美容歴3年で技術売上100万円突破
- 美容歴3年目で店長就任
- 10年目で取締役就任
・接客が苦手と感じてる
・もっと接客を勉強したい
・接客中の会話が上手くいかない
「具体的に説明する」接客力とは
冒頭に書いた「具体的に説明する」事についてもう少し説明したいと思います。
お客様に具体的に伝え、一言添えてあげる
例えば、シャンプーが終わってセット面にご案内して、クロス掛けた後に「少々お待ちください」
とか、カラーの染め終わった時に「これでお時間おきますね」とか言っていませんか?
これは良くないです。
具体的に言うなら
「五分ほどお待ち下さい。今日お時間のスケジュール大丈夫でしょうか?」
「毛先を20分ほど置いて、根元を染めさせていただきます。」
こんな感じに言ってあげると、お客様もお時間のスケジュール管理がしやすくなります。
お客様はこの後に、お友達に逢う約束があったり、お仕事のアポが入っているかも知れません。
美容師側が、きちんとお客様のスケジュールを把握しておく事も、大切な接客の1つです。
ここで大切なことは、接客は形ではないと言うことです。
形で入ってしまうと、見えてこないのです。
先ほどの「少々お待ちください」は会社のマニュアルで書いてある「形」の接客です。
丁寧な言葉使い。素敵な笑顔。清潔感があり、45度に頭を下げた上手な立ち振る舞い。
アシスタントは丁寧な接客をしたと思い込んでいます。
しかし、お客様のことは、全然見えていません。
もし、「五分ほどお待ちください。今日お時間のスケジュール大丈夫でしょうか?」って聞くとします。
そうすると、「この後1時間後に、友達と待ち合わせがあるので、それまでにお店を出たい」とお客様は言うかも知れません。
それを担当スタイリストに、伝えてあげれば、お客様もスタイリストも慌てずに済みます。
もし、お客様に聞いていなかったら、どうなっていたでしょうか?
この、気の利いた接客はこれからスタイリストで売れる為には必要なスキルです。
こちら側が具体的にお客様に伝えて、一言添えてあげる事で、トラブルも未然に防げますし、お客様の為の接客になります。
気の利いた接客とは?
お客様に雑誌を出す時に、皆さんはどうしていますか?
私も色々な美容室に行くのですが、ある時、待ち時間に素敵な笑顔で、雑誌を出してくれました。
私は40代なのですが、「スマート」と「メンズノンノ」を渡されました。
素敵な笑顔。丁寧な言葉遣い。感じの良い接客です。
でも、嬉しくないんですよね。
別に「スマート」と「メンズノンノ」が悪いわけではありません。
雑誌のチョイスのセンスが悪いのです。
多分、凄く考えて、雑誌を出してくれたのだと思うのですが、私の読みたい雑誌とちょっと違んですよね。
こう言うお客様とのズレは、実際のお客様のヘアスタイルを作る上でも、でてきます。
カウンセリングの時に
- 前髪が伸びてしまったので、今日は前髪2cm切ってください
-
前髪2cmですね。かしこまりました。
- 全体に5cm切ってボブっぽい感じにしたいです!
-
良いですね!スッキリしましょう!
このやり取りだけで、終わってしまっているスタイリストが多いです。
これでは不十分なんですよね。
「カッコ良く見せたい」「可愛く見せたい」によってもデザインも変わってきます。
「軽い」「重たい」によってもスタイルの見え方が変わってしまいます。
お客様の考えている事とスタイリストの考えている事の「ズレ」をなくしていかないと、お客様が満足するデザインは作れません。
お客様が考える「カッコ良く見せたい」「可愛く見せたい」は人によって違います。
スタイリストが考える「カッコ良く見せたい」「可愛く見せたい」も違います。
そこでズレをなくす為に、もっと詳しくお客様に聞く必要がありますし、雑誌やSNSの画像などで、イメージの共有する必要があります。
思い込みは良い結果を出すことが、難しいです。
では、先ほどの雑誌を出すシーンでは、どうしたら良かったでしょうか?
結論は、思い込みを捨てて、具体的にお客様に聞いてみると、良い結果にでる事が多いです。
- 雑誌お持ちしますね!読みたい雑誌ありますか?
-
今度旅行に行くから、旅行の雑誌をください。
- 雑誌お持ちしますね!読みたい雑誌ありますか?
-
ありがとう。洋服を探しているので、ファッション誌みせてください。
こんな感じで、お客様のニーズもさまざまです。
これをお客様に聞かないで、お客様の欲しい雑誌を持っていくのは難しいですよね。
透視できる能力がある人は別ですが…。
質問力を身につけて、思い込みをなくし、気の利いた接客を身につけておきましょう。
スタイリストになった時に、色々な場面で役に立つと思います。
会話をすることだけが接客ではない
接客で慣れていないと、「お客様と何か会話しないと」と焦ってしまう事ありませんか?
「やば、何か話さないと…」と考えれば、考えるほど空回りしちゃいますよね。
「お客様と上手く話せなかった…」なんて落ち込まないで大丈夫。
実は、私も20年担当しているお客様がいるのですが、何人かは、会話がないお客様もいらっしゃいます。
もちろん、カウンセリングの時はお話しますが、カット中はカットのデザイン以外は会話はありません。
それでも20年間通ってくれて、1〜2ヶ月に1回のペースで来店してくれます。
私も美容室での会話が苦手なので、何となく気持ちがわかるんですよね。
他にも内向的な方や、疲れてるお客様は会話をしたくありません。
なのに、美容師が無理矢理、「天気が良いですね」「お休みの時は何されているのですか?」
とか、どうでも良い話をされると「ほっといて」って思ってしまいますよ。
「そんなこと聞かんでえーねん!」
だから私はそう言うお客様が来店された時は、アシスタントの子にも「無理に話しかけなくて良いよ」って言ってます。
実際アシスタントの子がヘルプで入る時は、「話したいお客様」か「話したく無い」お客様を見極めるのが難しいですよね。
そんなお客様の見極め方は
- ずっと雑誌を読んでいる
- 最低限の返事しかない
- 目を閉じている
- ずっと下を向いている
- 声のトーンが小さい
このようなお客様の場合は、私は話しかけません。
もし話がある場合は、お客様から話をしてくれます。
内心では、「会話したくない」と思っていても、美容師が話しかけてくるもんだから、仕方なく応答してくれているお客様もいます。
お客様は「今日は話たく無いから、話しかけないで」って言えないんですよ。
接客はお客様と会話することだけが、接客ではありません。
お客様に心地よい気分で、喜んで帰っていただく事が接客だと思います。
相手の気持ちを、察しながら、空気を読む事をアシスタントのうちに、覚えておきましょう。
観察力を身につけて接客に結び付けよう
観察力はスタイリストになる為には、とても大切なスキルになります。
観察力は接客中の会話にも役に立つ
接客中の会話の中にも観察力は必要ですが、カウンセリングにも観察力は大切です。
お客様の服装やメイクなどからも、お客様の求めるデザインに近づく事ができます。
「このような洋服が好みなんだ」「普段のメイクはこんな感じなんだ」ではこんなスタイルが似合うかな?
みたいに、シュミレーションしておく事が、いざスタイリストになった時にとても役に立ちますよ。
先輩スタイリストが作った仕上がりも、「なぜ似合っているんだろう?」「なぜ可愛く映るんだろ?」と言った具合いに、観察し、分析力をつける癖を身につけておきましょう!
こうした、観察力は接客にも役に立ちます。
- 素敵な靴ですね!
-
ありがとう!この靴お気に入りなんだぁ!
- 以前とメイク変わりました?
-
気づきましたぁ!アイメイクの色変えてみたの!
このように、普段から観察力を身につけておくと、接客中の会話も弾みますし、お客様に顔を覚えていただく事もできます。
でも人の良い所は、普段から「見よう」としていないと見えてきません。
普段から「なぜ」と言う疑問を持ち、「見よう」と言う観察力を意識しておきましょう。
観察力はトレーニングにも役に立つ
少し接客とは離れてしまいますが、トレーニングにも観察力は重要です。
なかなか技術を取得するのは、難しいですよね。
試験になかなか受からず悩んではいませんか?
私も不器用で試験に合格できずに、悩んだ時期もありました。
でも大丈夫です。
一見、遠回りをしているようですが、その分理解が深まっている所もあるんです。
もし、自分が後輩を指導する立場になった時、できない後輩を見抜く事ができるようになりますよ。
なぜかと言うと、自分が出来なかったから、後輩にアドバイスする時に、できないポイントを伝える事ができるからです。
できる人は、できない人が「なぜわからない」のかがわかりません。
それを的確にアドバイスして、後輩もできるようになったら、嬉しくないですか!
だから今はできなくても、大丈夫ですよ。
でも、早く技術を取得したいですよね。
そこで、ちょっとしたコツを教えます。
技術を教えていて、すぐ理解できる人と、できない人の差は、見ているポイントが違います。
例えばカットを教わっている時に、1パネル引き出している時に、講師がポイントを必ず話しています。
と言った場合のポイントは、「2cm幅」「45度の角度に引き出す」「テンションをかける」になります。
このように、ポイントを細く分析して、ステップバイステップで進めていきます。
この技術では、1つポイントが抜けてしまうと、正確な仕上がりになりません。
ですので、ポイントを細く分けて分析して、1つ1つ順番に進めていく事が大切です。
この方法はヴィダルサスーンの外国人講師に教わった方法なのですが、ここから私は変わりました。
そこで言われたのは、カットができないのは、「できない」のではなく、やり方を「知らないだけ」って言われて、やり方を知ればできるようになる。
と言われたんですよ。
やり方を知らないだけなんだ。
この考え方は、シャンプー、ブロー、ワインディングなど、なんでも使えます。
もし、わからない時は、講師にセクションごとに「ここのポイントはどこですか?」と聞いてみましょう。
この内容は別記事で、細かく伝えますね。
楽しみにお待ち下さい。
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